化学療法を受けている患者さんの半数以上が、食べ物の味がしない、または何を食べても味が濃く感じられる、にがく感じられるなどの味覚異常を感じています。
我がステーションには化学療法を受けながら在宅療養をしている利用者様が多くこのような悩みを抱えておられます。
味を感じる味蕾(みらい)細胞は絶えず新しい細胞と交替している新陳代謝の激しい細胞なので、放射線や化学療法による機能障害を受けやすいのです。抗がん剤は味蕾細胞の破壊や唾液分泌の低下、さらに味覚に影響の大きい亜鉛の欠乏をも引き起こします。ただ、これらの副作用は一時的なもので、多くは治療後約2週間程度で回復します。
《予防と対応のポイント》
①味蕾細胞の新陳代謝を促進する亜鉛、鉄、ビタミンB12などを豊富に含む食品を摂る
②味蕾の感受性を高めるために、口腔内の衛生を保ち、口腔内感染を予防する
③唾液の分泌を促す工夫をする(よく噛む、レモン水のうがい、ガムや飴の摂取)
④ストレス緩和の方法を考える(味覚障害を家族にも理解してもらう)
⑤味を変えて食物嫌悪を防ぐ(どんな味に変化を感じているのかを知る)
⑥無理をしない(いやなものは無理に食べずに別のものにする)
🌟🌟亜鉛🌟🌟
味覚の異常は食欲不振につながり、エネルギーやタンパク質の不足を招くとともに、亜鉛、鉄などのミネラルやビタミンなども不足し、味蕾細胞の新陳代謝を悪くしてさらに味覚異常を生じさせるといった悪循環となります。また、亜鉛の不足は免疫を低下させ、皮膚炎や口内炎などを引き起こしやすくなります。化学療法中は亜鉛を含む食品を積極的に摂取することをすすめましょう。
●亜鉛を豊富に含む食品
小麦胚芽、緑茶、カキなどの貝類、煮干しなど丸ごと食べられる小魚、ゴマ、ナッツ類、椎茸等
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我がステーションには、総合病院で長年NST(栄養サポートチーム)で活躍したスタッフが働いております。
関わっているご利用者様の栄養面でのご相談のお問い合わせをお待ちしております。☺️
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